
私が通っていたのは、山口県立衛生看護学院という学校でした。
クラスは35人ほど。
決して大きな学校ではなかったけれど、私にとっては今も大切な思い出の場所です。
もちろん、勉強は大変でした。
実習も楽ではなく、気力も体力も必要でした。
看護や保健を学ぶ日々は、決してふわっとしたものではなく、
一人ひとりが責任を持って向き合う、厳しさのある時間だったと思います。
それでも、今振り返って心に残っているのは、
競争や見せ合いではなく、
それぞれが自分の仕事に静かな自信を持ちながら、
自分らしく生きている人が多かったことです。
中にはいろいろな人もいたと思います。
けれど、私の周りにいた人たちは、
出世欲やドヤのようなものを前に出すことも少なく、
自然体で人と関わることのできる人が多かったように思います。
だから私は、あの場所がとても楽でした。
最近、看護科と保健師科で一緒だった友人と、
何年かぶりに電話で話す機会がありました。
学生時代、寮の部屋を1年間一緒にしていた人です。
私は途中から入寮したので、いろいろ教えてもらい、
自然に仲間に入れてもらったことを、今でも覚えています。
久しぶりに話しても、
比較でもなく、駆け引きでもなく、
ただ自然に話せる。
相手の趣味の話を聞けば「それはよかったね」と言えて、
私がしんどかった話をすれば「それはいけんかったね」と返してくれる。
そんなやりとりの中で、あらためて思いました。
私はやっぱり、自然体でいられる関係が好きなのだと。
養護教諭になってからも、
県のセミナーでその友人と一緒になると、
一緒にお弁当を食べたりしていました。
頻繁に会うわけではなくても、
会えば変わらず話ができる。
そういう関係は、静かで、あたたかくて、
人生の中でとても貴重なものだと思います。
あの学校で学んだのは、
看護や保健の知識や技術だけではなかったのかもしれません。
人を大切にすること。
比べずに関わること。
自然体でいられることの心地よさ。
そんなことも、私はあの場所で受け取っていた気がしています。
今も、あの頃の空気を思い出すと、
少し深く呼吸ができるような気がします。
私にとって、山口県立衛生看護学院で過ごした日々は、
静かで、あたたかい宝物です。


